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冷静と恐怖のあいだ

正当防衛とは、他者から危害が加えられたり与えられそうなときにそれを防ぐために反撃してもかまわないこと。
 
 
蜂ってさ・い・あ・く!
ゴキブリとか、ねずみとかって人間が現れたら逃げるじゃないですか!蜂って向かってくるじゃないですか!
向かってきたときの恐怖ときたら、カラスに追っかけられるとかジェイソンに追っかけられるぐらい最悪の状態です。
 
あれは小学五年生の夏休み、祖父の家に帰ったときのこと。
あの日は、数日前に少年野球の合宿が終わり、やっと開放され宿題なんて文字は宇宙の彼方へ飛ばし、ただゆっくりしたいと思っていました。
しかしそこはバカな子供じゃないですか!遊んじゃうんですよね。おじいちゃん家に着いた途端、「兄貴!キャッチボールやろーぜ!」って。
数日前まで泣きながらボールを投げまくってたことを忘れちゃうんですもん。この帰省は体を休めよう!ってサラリーマンみたく誓ってたのに、もう真顔で本気のキャッチボール!
 
祖父家の庭はとても広いので普通に野球が出来ます。
そのうちキャッチボールに飽きた二人は、カラーバットと柔らかいボールを使い試合を始めました!
庭野球のルールは簡単です、打って庭を越えればホームラン、それ以外はワンベース、そしてアウトを取るのは三振だけでワンアウトチェンジ。
で、やるんですけど兄貴は5才も上だし、しかも中学の野球部だったので全く歯が立たない、もう僕はぐすんぐすん言いながらバットを振り回すんだけど、鬼と化したバカ兄貴はカーブだのシュートだので僕から三振の山を築いていきます。
さ・い・あ・くの兄ですよ、その時も0対15ぐらいで負けてて僕は発狂寸前。
 
すると、裏山から蜂が飛んできて接近してきました、僕は身の危険を感じ、しかも発狂寸前なのでぶんぶんバットを振り回し蜂を叩こうとしたのです、でも蜂も空振り!
まあ目にいっぱいの涙を浮かべていたから当たるわけないのですが。するとそれで蜂の本能に火を付けちゃって僕に向かって攻撃開始ですよ!
ブーンブーンブーンブーン!僕を刺そうと必死の蜂!
逃げながら、なんとかバットで振り払うのですが蜂は一向に諦めません、僕は赤ちゃんのように、うわんうわん泣きながら「くるなああーくるなああー」ってバットをぶんぶん振って狂ってました。
しかし蜂はまだまだ諦めません!なんとかバットを掻い潜り刺そうとしてます!
僕は気付きました・・・このままでは刺されてしまう、ヤらなければヤられてしまう・・・と。
さいあくの状態ですよ、しかもその光景をいつの間にか家に非難していた兄は窓越しで興味なさそうに鼻くそをほじりながら見守ってました、どこまでもさいあくな奴だ。
 
僕は覚悟を決めました、殺るか刺されるかしかない!そして30メートルぐらい一目散に走りました、そこでクルっと向き直り王貞治ばりにバットを構えたのです。
追ってくる蜂を待ち構える僕!まさに武士。
はやる気持ちを抑えナイススイングだけを心がけて近づくまで引き込みます!そして後、50センチとなったとき、今だ!!!
 
ぶんっ!!!カッコーーン!!!見事にクリーンヒット!蜂は綺麗な放物線を描いて飛んでいきました!数日前まで行っていた合宿の成果がこんな所で発揮されるとはびっくり。これ本当の話です。
覚悟を決めてからの僕はとても冷静でした、打つ瞬間の僕の目は星飛雄馬みたく光ってました。
この経験で僕は一つ人生において大きな勉強をしたのです、人間は冷静にならないとダメだ!ということを。
 
先日も近所を歩いていたら蜂に遭遇したんです、すると何にもしていない僕に何故か敵意むき出しで向かってきました!よっぽど僕のオーラが昆虫(蜂)に嫌悪感を与えたのでしょう、でも僕は過去に経験し悟っているので至って冷静でした。引き付けて引き付けて後10センチに迫ったところで中指でピンッ!て弾いてやりました、デコピンのときの要領で中指でピンッて。
綺麗な放物線を描いて飛んでいく蜂!
蜂の動きを冷静に見切り、精神を統一して中指に集中!そして見事ヒット!まさに昔のジャッキーチェンの映画に出てくるカンフーの達人みたいでした。
 
あの蜂に刺されても死なないことでしょう、なのに僕はカラーバットや中指でピンッってやって亡き者にしちゃったけど、蜂が死ぬほど怖いんですから正当防衛なんですよね、これって。
 
 

2008年5月 1日 朋ボディケア整体院 |


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